今回の片づけ目線の映画レビューは「The Piano(ピアノ・レッスン)」です。
完全にネタバレなので、まだ観てない方は映画をご覧になってから読んでいただきたい。
この映画は1993年公開なのでかれこれ25年位まえの映画なんですね。
たしかに若い頃観たので「おじさんとおばさんともうひとりおじさんがでてくる話」っていう親近感のまったくわかない距離感で映画を観ていました。(すっかり彼らの年齢を超えた今ならより深くこの映画を堪能できると思います。)
ストーリーの深さもさることながら、語り継がれるその美しい音楽と映像美。
あれ以来観てない気がするけれど、「また観たいな~」って思う作品のひとつです。
そして今となっては主人公の彼女とピアノという、モノと人との関係性が片づけコンサルタントとしては非常に興味深いのです。
<ここから↓は本当にネタバレです。>
最も印象に残っているのはやっぱり最後に新しい伴侶と新しい土地へ向かう船のシーン。
主人公が彼女のすべてと言ってもいい彼女のピアノと共に船から落っこちるあのシーンです。
他のネタバレ記事を読んだら、彼女は自分の足にロープが絡まっているのを知っててあえて解かずにピアノと心中する覚悟だったそうな。
今までの自分(ピアノ)と今一緒に死ぬか、ピアノを捨てて生きるか。
はたして彼女にとってはどっちが「死」なのか?
がんこな彼女なら前者もありだし、
ヨーロッパ映画ならせっかく新しい人生を踏み出したその時に主人公があっけなく死ぬこともよくあるので、
どどどど~なるのぉ~~~ってハラハラドキドキして観てました。
精神的な「生」のためにピアノと共に海へ沈む?それとも「新しく生きる」ことを選ぶ?
モノと共に死ぬのか、モノを手放して生きるのか?
ただのモノとの関係性を超えていたピアノと彼女だったので、
正直彼女がピアノを捨てて必死に海上にあがろうとした時は驚きましたし、鳥肌がたちました。
(みなさん、ここがときめき片づけで言うところの「自分が主役になる」という部分ですよ!)
人が生まれ変わる時って、その前に一度死ぬってことです。
人が本当に変わる時って、今までの自分のすべてを捨て去った時です。
自分を縛っているのは他でもない自分だと、
だからその呪縛から自分を解き放てるのも自分だと、
というか、自分でしかできないと気づいた時に人は変わります。
ときめき片づけで人生が変わるのは、過去を振り返らず、今のときめきにフォーカスしてモノを見極めていくからです。
ときめき、、、なんて響きはチャーミングですが、一度死んで生まれ変わる位のインパクトがあります。
手放す、ということは手放した経験のない人には恐怖以外のなにものでもありませんものね。
私にとってはこの映画のピアノと主人公のストーリーはそのまま「捨てられないと思い込んで日々悩む方々」の人生と重なって見えるのです。
「ときめかないけど捨てられない」と悩む時はそれはかつてのときめきの記憶に縛られてはいないかと自分に尋ねてみてください。
かつて輝いてた自分以上にはもう輝けないと、いつのころからか決めつけていませんか?
あきらめていませんか?
大切なのは今の自分とこれからの自分。
かつてときめいた体験はおばあちゃんになってからAIにでも話して聞かせればいいのです。
「ピアノ・レッスン」の主人公は海に落ちて、「3秒前までの私じゃなくて、今の私、どうする?!」って切り替えて考えられたんだと思います。
これってときめき片づけの時も大いに活用できますよね?
「産まれてから3秒前までの私じゃなくて、今の私、ときめいてる?!」って尋ねてみてください。
そして思い切りよく手放すことで、いきいきと輝きだすご自身の強さを、美しさをその目で確かめてください。
あぁ、やっぱりもう一度観よう、、、♡
Your Choice,Your Life
Chinaco
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